
外壁塗装のDIYを始める前に知っておきたいこと
動画やSNSを見て「外壁塗装もDIYでできそう」と感じる方は多いです。確かに、材料費だけで済めばトータルの出費を抑えられる可能性がありますし、自分の家を自分の手でメンテナンスするのはやりがいもありますよね。ただし、外壁塗装は家を雨や紫外線から守る大切な工事です。やり方を間違えると、見た目はきれいでも数年で塗膜がはがれ、逆に出費が増えてしまうこともあります。
そこでまずは、「自分の家はDIYに向いているか」「どこまでなら自分でやってよいか」を考えることが大切です。プロに頼む場合との違いを理解したうえで、無理のない範囲でチャレンジすることが、外壁塗装DIYを成功させるポイントになります。
DIY外壁塗装の主なメリット
DIY外壁塗装のメリットとして、よく挙げられるのは次のような点です。
・人件費がかからない分、総額を抑えられる可能性がある
・自分のペースで作業でき、色や仕上がりにこだわりやすい
・外壁の状態を自分の目で確認でき、家への愛着が増す
特に「まずは小さな面だけ試したい」「一部だけ色を変えたい」といった場合には、DIYが向いていることもあります。小さな範囲で経験を積んでおくと、将来プロに依頼するときにも質問や相談がしやすくなります。
DIY外壁塗装のリスク・注意点
一方で、外壁塗装をDIYで行う場合の注意点もはっきり知っておく必要があります。
・高所作業が多く、転落などの危険がある
・下地処理が不十分だと、すぐに剥がれや膨れが出てしまう
・塗りムラや色ムラが出ると、見た目の印象が大きく落ちる
・失敗して塗り直すと、プロに頼むより高くつくことがある
特に、ひび割れが多い外壁や、雨漏りの疑いがある家はDIYには不向きです。表面だけ塗り直しても根本的な解決にならないため、専門業者の診断を受けた方が安心です。
DIY外壁塗装に必要な道具と塗料選び
外壁塗装のDIYでは、「道具が足りない」「塗料が合っていなかった」という理由で作業が止まってしまうことがよくあります。準備を整えてから作業に入ることで、作業時間も仕上がりも安定しやすくなります。
ここでは、最低限そろえたい道具と、塗料選びの基本的な考え方をシンプルに整理します。最初から完璧を目指す必要はありませんが、「安全に作業できるかどうか」は必ず意識しましょう。
最低限そろえたい道具
DIYで外壁塗装をする場合、次のような道具があると安心です。
・ローラー、刷毛(広い面用と細かい部分用)
・塗料用バケツ、ローラーネット
・マスカー、マスキングテープ、ビニールシートなどの養生用品
・高圧洗浄機、またはホースとデッキブラシ
・ヘラやワイヤーブラシなどのケレン道具
・脚立や簡易足場、滑りにくい靴、安全帯
・手袋、ゴーグル、マスクなどの保護具
道具の多くはホームセンターでそろいますが、安全に関わるものはケチらない方が結果的に安心です。高所で不安定な脚立を使うくらいなら、無理をせずプロに任せるという判断も大切です。
塗料選びで押さえたいポイント
塗料にはアクリル・ウレタン・シリコン・フッ素・無機などいくつかの種類があり、耐久性や価格が変わります。DIYでは、扱いやすさと耐久性のバランスがよいシリコン塗料が選ばれることが多く、基本的には「外壁用」として販売されているものを選べば大きく外すことはありません。
あわせて、下塗りに使う「シーラー」「フィラー」も重要です。外壁材(モルタル、サイディングなど)や劣化状態により適した種類が変わるため、商品ラベルやメーカーサイトを確認し、推奨されている組み合わせを選びましょう。迷ったときは、塗料販売店で「外壁用で、初心者でも扱いやすいものを」と相談してみるのがおすすめです。
外壁塗装DIYの基本的な手順
おおまかな準備ができたら、実際の作業の流れをイメージしてみましょう。外壁塗装は、「塗る作業」よりも「下ごしらえ」が大きなポイントです。ここを丁寧にできるかどうかで、持ちや見た目が大きく変わります。
以下では、一般的な戸建て住宅を想定した基本ステップを紹介します。詳細は、実際に使用する塗料の説明書もあわせて確認してください。
高圧洗浄と下地処理
最初のステップは、外壁の汚れをしっかり落とすことです。高圧洗浄機を使って、コケやカビ、ホコリ、古い塗膜などをできるだけ洗い流します。ここを手抜きすると、どんなに良い塗料を使っても早く剥がれてしまう原因になります。
洗浄後は、ひび割れや欠け、サビなどをチェックし、補修を行います。
・クラックにはシーリング材や補修材を充填する
・金属部のサビは削り落としてからサビ止めを塗る
・ぐらつきがある部材はビスや釘で固定する
といった基本的な下地処理をしておくと、その後の塗装が長持ちしやすくなります。
養生と下塗り
次に、塗料がついてほしくない部分を養生します。窓サッシ、玄関ドア、ポスト、給湯器、エアコン室外機などをマスカーやビニールで覆い、テープでしっかり固定します。養生を丁寧に行うと、仕上がりのきれいさがぐっと変わります。
養生が終わったら、下塗りに入ります。下塗り専用の塗料を使い、外壁と上塗り塗料がしっかり密着するようにする工程です。ローラーで広い面を、刷毛で細かい部分を塗り分け、薄く均一に塗ることを意識しましょう。メーカー指定の乾燥時間を守ることも重要です。
中塗り・上塗りと仕上げ
下塗りが十分に乾いたら、中塗りと上塗りを行います。多くの場合、同じ塗料を2回塗り重ねることで、色ムラを少なくし、塗膜の厚みを確保します。ローラーを縦方向・横方向へ動かしながら塗ると、ムラを抑えやすくなります。
すべての塗装が終わったら、乾燥後に外壁全体をぐるりと確認してみましょう。
・ローラーの筋や塗り残しがないか
・色ムラが気になる部分がないか
・付帯部との境目がガタガタしていないか
気になるところがあれば、ピンポイントで塗り足して調整します。最後に養生を外し、周りに塗料の飛び散りが残っていないかをチェックすれば、DIY外壁塗装の一連の作業は完了です。
まとめ|外壁塗装のDIYは「安全第一」と「できる範囲」がキーワード
外壁塗装のDIYは、費用を抑えつつ家への愛着も高められる方法ですが、高所作業や下地処理の難しさなど、決して簡単な作業ではありません。「危険を感じるほどの高所は無理をしない」「劣化がひどい場合はプロに相談する」といったラインを自分の中で決めておくことが大切です。
まずは、ベランダ内側の一面や塀など、比較的低くて小さな範囲から挑戦してみるのも良いでしょう。実際にやってみると、自分にとってDIYが向いているかどうかも見えてきます。DIYとプロの力を上手に組み合わせながら、ご自宅に合った外壁塗装の方法を選んでいきましょう。
